導入する前に知りたいデジタル採点システムの基礎知識

デジタル採点システムとはその名の通り、答案用紙をスキャニングしてデジタル画像データに変換した上で、パソコン内のソフト上で採点するための仕組みです。アナログの紙媒体で採点を行っていたスタイルよりも、効率よく短時間で作業をこなせるのがデジタル採点システムの魅力です。過去のデジタル採点システムでは専用の用紙やペンが必要でしたが、現在の製品のほとんどが通常の用紙を使用できます。ハイスペックな製品であれば、斜めや上下逆にスキャンしても自動で修正してくれるため非常に便利です。

現在リリースされているシステムは、全ての採点が全自動で行われるという訳ではありません。しかし答案を生徒ごとから、設問ごとに切り替えて並べることが可能です。同じ設問ばかりが並ぶため、模範解答と比べて一致しているかそうでないかを判断していけば良いだけなので効率が良いです。また高機能のモデルでは、英数字を1文字だけ使う選択問題であれば自動で採点してくれる機能が搭載されています。

デジタル採点システムは単に採点作業の効率化を図るだけでなく、得点の集計や成績管理など採点以外の事務作業にも役立ちます。クラスや学年の平均、正答率が低かった場所の抽出なども容易です。こういったデータは成績業務に活用するだけでなく、カリキュラムや授業方針を決める際の参考資料にもなります。普段の授業で指導している要素が狙い通りに生徒に浸透しているか、生徒の実力に反映させるにはどうしたら良いのかを検討する際の材料にもなるでしょう。

生徒の個別の弱点克服のための対策を打ったり、他の校務支援システムと連携させて効率化を図るなど、さまざまな用途が見込めます。